往前 1 / 5 頁 下一頁 時の流れは速い。 金丹を得た仙師であろうとも時の流れが只人よりもゆっくりと言うだけで確実に歳は経る。 十年という時間が己に何をもたらしたか。 金凌ははっきりと答えることが出来る。 蓮華塢から戻り金凌が最初にやったことは情報を集めることだった。 相変らず金凌を侮り裏でやりたい放題の輩には知らぬ振りで悪行の証拠を集め、その親族に使える者が居なければ家ごと潰した。 その頃には己が侮ってきた若宗主が獅子の仔であったことを思い知る面々も、家の大小新古構わず潰されてゆくのを為す術無く見続けるしか無かった。 そして残った者の内使える者とそれ以外をより分け、使える者も利で動く者と義で動く者と情で動く者に分けた。 使えぬ者の内地位が高い者は地位はあっても無実な役職に追いやり、無い者は害の無い地へ飛ばした。 全ては江晩吟の後押しと間者の情報収集を利用し、金凌と金玲の主従が時を掛けて実現した。 唯一の血縁の金凌の祖母である先々代宗主夫人も、断れない筋に利用されないようにと病気療養と金凌の許婚の教育を理由に遠い隠居地に旅立っていた。 そう、この時に金凌は婚儀を結ぶことを仙門百家に向け知らしめした。 金氏の者にも寝耳に水のこの報は、選ばれたのが紅氏の娘で名の知れた藍氏次代宗主の世話役の一女と聞き納得する。 宗主としての箔付けと実利という意味では紅氏は垂涎の的だ。 金氏を掌握する意味でも金凌の人物が明らかにされた。 中には変人の行き遅れを娶ったと嗤う者が居たが、後々当の許婚の娘に手痛い報復を受けることとなる。 雌伏の時を歯を食い縛り耐えた主従は絆を深め、金玲が生家を捨てた時点で本家へ居を移させた。 金玲は主に続き居を本家に移すと同時に身を固める。 紅氏を出た紅五花の最年長の又従姉妹で、紅氏としての能力は無いが穏やかで一族から愛される人だった。 料理が上手で役職を戴く年頃には髭を蓄えた金玲が脂下がるものだから、胸焼けがすると金凌がぼやくほどの愛妻家と成った。
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