「ああ、既にお義父さんは知っているかも知れませんが、武具の類は製作者の銘が施されていて売却時にチェックをする商人がいるそうですぞ」<br><br>「そうなのか。 と言う事は――」<br><br>「まあ...... ループ時にクズに指摘したら権力で揉み消されましたがな」<br><br>「...... だろうな」<br><br>お義父さんが言いそうな気がしたので、先回りですぞ。<br><br>あやつ等は無駄な事にばかり頭が回りますからな。<br><br>「じゃあ、銘が無い物は売れないって事か?」<br><br>「そうではありませんぞ。 ここはゼルトブルですからな。 お義父さん程の商才があれば買い叩かれるなんて事はきっとないですぞ」<br><br>「その、俺を知り尽くしていますって顔をやめろ」<br><br>滅相もありませんぞ。<br><br>俺程度にお義父さんが抱く、宇宙の様な深い考えに行き着く事など出来るはずもありません。<br><br>所詮はループを繰り返して見て来た物をマネているだけですぞ。<br><br>「ではお義父さんは買い取り商人へ売却に行くのですかな?」<br><br>「ああ。 元康、お前はどうする気だ?」<br><br>「俺はフィーロたんと一緒に小屋で寝ますぞ」<br><br>「グア!? グアグアグア!」<br><br>小屋で大人しくしていたフィーロたんが立ち上がってお義父さんの下へ行き、襟首をくちばしで摘まみました。<br><br>どうしたのですかな?<br><br>「グア! グアグア!」<br><br>フィーロたんがお義父さんに向かって何やら鳴いて首を振っておりますぞ。<br><br>「...... めちゃくちゃ嫌そうなんだが」<br><br>「何故ですかな!? フィーロたんのかほりを嗅ぎたいですぞ」<br><br>「そんな真似をしようとしていたのか...... どっちにしてもここで寝るな。 フィーロが休めん」<br><br>「グア! グアグア!」<br><br>懸命にフィーロたんはお義父さんに引っ付いていますぞ。<br><br>くっ...... ループしてからこれを楽しみにしていたのに、当てが外れましたな。<br><br>とはいえ、チャンスはきっとありますぞ。<br><br>今は信頼関係を築く時ですからな。<br><br>なんて考えているとお義父さんが鬱陶しそうにフィーロたんを注意しました。<br><br>「ええい引っ付くな! そして甘えるな!」<br><br>「グアー!」<br><br>「ああもう...... 昨日と同じじゃないか!」<br><br>お義父さんが何やら愚痴っていますな。<br><br>昨日、お義父さんはフィーロたんと何があったのですかな!?<br><br>俺の調査と記憶の限りでは寂しがるフィーロたんを寝入るまで宥めていただけですぞ。 ...
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