闇雲に歩き回るも果てはあるのかないのか、それすらわからなかった。(俺は…死んだのか…?とするとここは…なんだ…てっきり天国に行けるもんと思っ การแปล - 闇雲に歩き回るも果てはあるのかないのか、それすらわからなかった。(俺は…死んだのか…?とするとここは…なんだ…てっきり天国に行けるもんと思っ ไทย วิธีการพูด

闇雲に歩き回るも果てはあるのかないのか、それすらわからなかった。(俺は

闇雲に歩き回るも果てはあるのかないのか、それすらわからなかった。

(俺は…死んだのか…?とするとここは…なんだ…てっきり天国に行けるもんと思っていたが…ところで…俺は何をしていたんだったか…)

じっとしていることもできずただひたすら歩き続ける。果てがあってもなくてもどうでも良かった。何故かはわからないが胸の奥が酷く痛んでいる、焼けるように、いやもしくは凍りついていて低温火傷をしているのかと思うほど熱く冷たく刺すような痛みだ。だが何故こんな痛みを患っているのかが思い出せない。
時間の感覚もないまま歩き続けて自分が進んでいるのか止まっているのかもわからなくなってきた頃、少し先に暗闇の中でボゥと浮かび上がった人影を見つける。

(誰かいる…男…?)

人影はうずくまっているようで表情はうかがい知れない。ボロボロのシャツを上だけ着ているようだがどうやら泣いているらしかった。押し殺したような嗚咽が聞こえてくる。

「おい、どうした?」

「……………。」

こちらを見向きもしない。

「おい、どうしたんだ?」

片に手をおいた瞬間バッと払い除けられ、一瞬こちらを向いた。目は腫れ、虚ろな目の先には光は宿っていなかった。

(この顔…どこかで…)

男はまたうつむき泣き続ける。どうしたことか、胸の痛みが先程から増しているまるで自分自信を責めているようだ。
よくよく見るとこの男、獣の耳と尻尾が生えている…手足も人間のそれと違っていた。

(思い出せ…!俺はこいつを知ってる…この、哀れな生き物を…)

「なぁ、泣いてたらわかんねぇだろ、なんか困ってんなら助けてや……」

(助ける…?俺はこいつを助けられるのか?いや、"助けられたのか"!?)

「………なぁ、なんで?」

「…?な、何がだ?」

男がゆらりと立ち上がる。まだうつむいているので表情がわからない。

「なんで…助けてくれなかったんだ?」

「!?いや、だから助けてやるっつって…」

「嘘つき…なぁ、なんで?なんで助けられもしないのに"助ける"なんて言った?」

男の声は責める言葉を使いつつも怒っているようではない、怒りではなく、絶望している悲しみの色が強かった。

「……っっ!?」

ふっと男の顔が正面を向いた。その目からは赤い涙が滴る。

「なぁ、…助けてくれるんだろ?… じゃあ、その銃で…俺を、殺して…?」

「???どこに銃があると…なっ!?」

気がつくと右手に拳銃を握っていた。右手は勝手に動き銃口を男に向ける。

「なにっ!?っ止まれっ止まれっっ!!クソっ!!」

ハンマーを引く音と次いで引き金に指をかける感覚。




「バイバイ、スモーカー…」






「ローォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」

「スモーカーくんっ!」
「スモーカーさんっ!!気がついたんですねっ!?良かった…!!」

(!?ここは…?白い部屋…俺は…)

「おぉー、気がついたか親友。」

「…クザン…?たしぎと、ヒナもか…」

ピ…ピ…と規則正しい電子音が聞こえる。スモーカーの横たわるベッドをたしぎ、ヒナ、クザンの3人が囲んでいた。

「おめぇ撃たれたんだよ。だがまぁよく生きてたなぁ。」

「ぐすっ…クザンさんが、自宅で倒れていたスモーカーさんを見つけて119番してくれたんです…あと少し発見が遅れてたら、死んでたって…もぅっ!!どれだけ心配したと思ってるんですか!!」

「そうだ…俺は…撃たれて…だが、何故助かった?俺はあの時死を覚悟した…」

「これだ。」

クザンはボロボロの十手を取りだしスモーカーに渡す。

「柄の部分が一部吹き飛んでるだろ?銃弾はこれに当たって威力を落とし、方向もずらした。銃弾は心臓から5cm離れた位置から摘出したよ。」

「だから一人で捜査なんて無謀だって言ったのよ!全く呆れるわ!!ヒナ激怒!」

(そういうことか…この十手が…。先祖に感謝しねぇとな。)

きっとローは俺を殺してしまったと思っているに違いない。夢の中の男が言った通りだ。助けると言っておきながらなんだこのザマは…!情けねぇ!!グッと体に力をいれると胸に激痛が走った。

「ぐぁっっ!!?!」

「おいおい、無理すんなよ、生きちゃいるが重症だ。とりあえず暫くはダラケてろ俺みたいに。」

「クザンさんはダラケすぎです…」

「こんな痛み…!あいつに比べたらなんてことねぇ…!!」

起き上がろうとするスモーカーをヒナが押さえつける。押さえ込まれて真上にヒナを見るが心なしか手が震えているのは気のせいか…?

「スモーカーくん!!あなた死にたいの!?私たちがどんな気持ちで目覚めないあなたを待っていたと思うのよっっ!!」

「離せヒナ!!俺は行かなきゃならねぇとこがあるんだよっっ!!」

「何処へだ?おめぇ、何処に行くつもりなんだ?……おめぇもわかんねぇんだろ?」

「………っっ!!」

クザンの言う通りだ、悔しいが…ローがどこに連れ去られたのか皆目検討もつかない。俺はローを何も知らない。あのドフラミンゴという男の事もだ。知っているのは一般人レベルの情報のみ。そんな情報でローの居場所を知ることは不可能だった。夢の中のローの言葉が胸に刺さる。"なんで助けられもしないのに助けるなんて言った?"全くその通りだ、俺は自分の正義の心ただそれだけでローを助けると言った。何の根拠もないのに。甘かったと言えばそれまでだが、己の無力さを痛感した。

「たしぎちゃん、ヒナ、ちょっとぉ席を外してくんねぇか?」

「でもっ…!」

「…たしぎ、行くわよ。」

2人が病室から出ていく。


「…クザン、お前何か知ってるな…?俺の家に来たことと何か関係あるんだろう?警察を辞めたお前がうちに来るなんざ、よっぽどのことだ。しかも、あんな時間に。」

「寂しいねー、親友の顔見に来るのに理由がいんのかい?……ま、そうだ。お前に用があった。最近起きてる猟奇殺人事件についてお前が調べてると聞いてね。ある情報を掴んだから教えてやろうと思って行ったら血だらけのお前が倒れてたんでビックリしたよ。死んでるかと思った。」

「それについては、感謝している。で、その情報ってのはなんだ?」

「お前、SMILEっつー薬知ってるか?」

SMILE…確かあの時ローが薬を打たれ、そのような言葉を言っていたような気がする。あれを打たれた後、ローはドフラミンゴの命令通り
の行動を取った。猟奇殺人事件の被告に関してもこの薬を使用された可能性が高い。だがもちろん薬物検査は行った。結果は白。なので今まで薬の関与は疑っていなかった。

「そいつを打たれた姿を、目の前で見た…」

「へぇぇ~…、そうかい。」

「なんだ、驚かねぇな。」

「なげぇ人生だしなぁ、そういうこともあるかもなぁ。」

…ないだろ。相変わらずのだらけた考え方に呆れるが、詳細を聞かないのはこいつの優しさだろう。例えを聞かれたとしても、答えられなかった。長い付き合いと、こいつだからできることだ。

「で、そのSMILEだが服用、または投与された奴ぁ特定の人物の命令をきかなきゃいけなくなるみたいなんだが、…知ってそうだな?」

「あぁ…命令されている姿を目の当たりにしたからな。絶対に本人がやりたがらねぇことをやらされていた。」

「てこたぁ、今回の事件に絡んでるってことも予想がついてるはずだが、俺はそのSMILEの製造者を突き止めた。」

「本当か!?」

「あぁ、シーザー・クラウンというイカれた科学者だ。何のためにそんなものをと思ったが…どうやらとある国が戦争を起こすつもりらしい。その兵器だという話だ。それで俺は今回の事件はその公開実験だと踏んでいる。」

「戦争だと…!?確かにあの薬を使えば死を恐れない兵士が作れる…敵国の政府要人に飲ませれば白旗をあげさせることも、暗殺させることも可能だ…」

なんということだ…まだ連続猟奇殺人事件だけならば主犯を捕まえればよい話だと思っていたが、もはや国家レベルの話になっている。

「まだ実験の段階だとすればまだ間に合う。シーザーを捕まえて組織を壊滅させる必要がある。あとは、こいつのバイヤーだが、ドフラミンゴという男が全てを仕切っているそうだ。」

「…ドフラミンゴ…!!」

胸の傷がギリリと痛んだ。あいつがローにしたことを思うとどす黒い怒りの波が押し寄せる。

「なんだ、そうとう深いとこまで知ってんだなぁ、驚いたぜ。」

「それはこっちのセリフだ。クザン、お前こそどこでそんな情報を…!」

「なぁスモーカー、正義ってなんだと思う?…警察が正義、それが全てじゃないと、お前に言うのもなんだが…、俺は警察を辞めた後ある組織に入った。正義を掲げる姿勢は同じだが、その方法は非合法であることもある。警察の力には限界がある。俺の正義は、警察じゃあ果たせねぇ。」

ヴェルゴのことが頭をよぎる。先程の戦争の話、ヴェルゴも噛んでいるとしたら最悪の結果になる。なんとしてでも阻止しなければならない。

「なぁ、クザン。ヴェルゴが、ドフラミンゴの仲間だと言ったらどうする?」

「…知ってたよ。言ったところであの頃の自分には何もできなかったからな。お前たちには悪かったが、黙っていた。」

「やはりな。お前がサツを辞めたことと関係があるんじゃないかと思っていた。」

クザンは有能な刑事だった。勤務態度にはそこそこ問題があったが検挙率では群を抜いていた。そんな男がいきなり辞めると言い出したときには何かあると思ったが、ここにきてその理由がヴェルゴにあるとわかり、今までのうのうと仕事をしてきていたことに自分に嫌気がさす。

「俺は…助けなきゃならねぇ奴がいる。約束したんだ。必ず助けると。クザン、ドフラミンゴの居場所知ってんだろ。教えてくれねぇか?」

「おいおい、お前は動けるような状態じゃねぇんだぞ。俺に任せろ。」

「俺が、俺が行かなきゃ駄目なんだよ!!あいつはきっと…今頃絶望して泣いてやがる…あいつを笑顔にしてやりてぇんだ!!」

「へぇ、お前、そいつのこと好きなんだな。じゃあしょうがねぇなぁー。」

「!?い、いや、あいつは男だ。そういうのじゃねぇよ!!!それに、こんなところにいたらヴェルゴに消されちまう!」

クザンは紙に何かをメモしてこちらを見た。

「お前、フフッ…鏡見てから言えよ、真っ赤だぜ。あの白猟のスモーカーに赤面させるなんざ大した野郎だなハッハッハッ!!ほらよ、ドフラミンゴはここにいるはすだ。お前のその想い人が一緒にいるかは知らねぇがな。」

「恩に着る。」

「さてと、俺は仲間とシーザーを捕獲する。お前はお前で、まぁなんだ、死なねぇように頑張れ。」

「あぁ、おめぇもな。」

これでローの居場所はわかった。ローは無事だろうか…殺されてるってことはないと思うが…酷い目に遭わされていることは容易に想像がつく。それこそ死んだ方がましと思えるようなものかもしれない。
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闇雲に歩き回るも果てはあるのかないのか、それすらわからなかった。(俺は...死んだのか...?とするとここは...なんだ...てっきり天国に行けるもんと思っていたが...ところで...俺は何をしていたんだったか...)じっとしていることもできずただひたすら歩き続ける。果てがあってもなくてもどうでも良かった。何故かはわからないが胸の奥が酷く痛んでいる、焼けるように、いやもしくは凍りついていて低温火傷をしているのかと思うほど熱く冷たく刺すような痛みだ。だが何故こんな痛みを患っているのかが思い出せない。時間の感覚もないまま歩き続けて自分が進んでいるのか止まっているのかもわからなくなってきた頃、少し先に暗闇の中でボゥと浮かび上がった人影を見つける。(誰かいる...男...?)人影はうずくまっているようで表情はうかがい知れない。ボロボロのシャツを上だけ着ているようだがどうやら泣いているらしかった。押し殺したような嗚咽が聞こえてくる。「おい、どうした?」「……………。」こちらを見向きもしない。「おい、どうしたんだ?」片に手をおいた瞬間バッと払い除けられ、一瞬こちらを向いた。目は腫れ、虚ろな目の先には光は宿っていなかった。(この顔…どこかで…)男はまたうつむき泣き続ける。どうしたことか、胸の痛みが先程から増しているまるで自分自信を責めているようだ。よくよく見るとこの男、獣の耳と尻尾が生えている…手足も人間のそれと違っていた。(思い出せ…!俺はこいつを知ってる…この、哀れな生き物を…)「なぁ、泣いてたらわかんねぇだろ、なんか困ってんなら助けてや……」(助ける…?俺はこいつを助けられるのか?いや、"助けられたのか"!?)「………なぁ、なんで?」「…?な、何がだ?」男がゆらりと立ち上がる。まだうつむいているので表情がわからない。「なんで…助けてくれなかったんだ?」「!?いや、だから助けてやるっつって…」「嘘つき…なぁ、なんで?なんで助けられもしないのに"助ける"なんて言った?」男の声は責める言葉を使いつつも怒っているようではない、怒りではなく、絶望している悲しみの色が強かった。「……っっ!?」ふっと男の顔が正面を向いた。その目からは赤い涙が滴る。「なぁ、…助けてくれるんだろ?… じゃあ、その銃で…俺を、殺して…?」「???どこに銃があると…なっ!?」気がつくと右手に拳銃を握っていた。右手は勝手に動き銃口を男に向ける。「なにっ!?っ止まれっ止まれっっ!!クソっ!!」ハンマーを引く音と次いで引き金に指をかける感覚。「バイバイ、スモーカー…」「ローォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」「スモーカーくんっ!」「スモーカーさんっ!!気がついたんですねっ!?良かった…!!」(!?ここは…?白い部屋…俺は…)「おぉー、気がついたか親友。」「…クザン…?たしぎと、ヒナもか…」ピ…ピ…と規則正しい電子音が聞こえる。スモーカーの横たわるベッドをたしぎ、ヒナ、クザンの3人が囲んでいた。「おめぇ撃たれたんだよ。だがまぁよく生きてたなぁ。」「ぐすっ…クザンさんが、自宅で倒れていたスモーカーさんを見つけて119番してくれたんです…あと少し発見が遅れてたら、死んでたって…もぅっ!!どれだけ心配したと思ってるんですか!!」「そうだ…俺は…撃たれて…だが、何故助かった?俺はあの時死を覚悟した…」「これだ。」クザンはボロボロの十手を取りだしスモーカーに渡す。「柄の部分が一部吹き飛んでるだろ?銃弾はこれに当たって威力を落とし、方向もずらした。銃弾は心臓から5cm離れた位置から摘出したよ。」「だから一人で捜査なんて無謀だって言ったのよ!全く呆れるわ!!ヒナ激怒!」(そういうことか…この十手が…。先祖に感謝しねぇとな。)きっとローは俺を殺してしまったと思っているに違いない。夢の中の男が言った通りだ。助けると言っておきながらなんだこのザマは…!情けねぇ!!グッと体に力をいれると胸に激痛が走った。「ぐぁっっ!!?!」「おいおい、無理すんなよ、生きちゃいるが重症だ。とりあえず暫くはダラケてろ俺みたいに。」「クザンさんはダラケすぎです…」「こんな痛み…!あいつに比べたらなんてことねぇ…!!」起き上がろうとするスモーカーをヒナが押さえつける。押さえ込まれて真上にヒナを見るが心なしか手が震えているのは気のせいか…?「スモーカーくん!!あなた死にたいの!?私たちがどんな気持ちで目覚めないあなたを待っていたと思うのよっっ!!」「離せヒナ!!俺は行かなきゃならねぇとこがあるんだよっっ!!」「何処へだ?おめぇ、何処に行くつもりなんだ?……おめぇもわかんねぇんだろ?」「………っっ!!」クザンの言う通りだ、悔しいが…ローがどこに連れ去られたのか皆目検討もつかない。俺はローを何も知らない。あのドフラミンゴという男の事もだ。知っているのは一般人レベルの情報のみ。そんな情報でローの居場所を知ることは不可能だった。夢の中のローの言葉が胸に刺さる。"なんで助けられもしないのに助けるなんて言った?"全くその通りだ、俺は自分の正義の心ただそれだけでローを助けると言った。何の根拠もないのに。甘かったと言えばそれまでだが、己の無力さを痛感した。「たしぎちゃん、ヒナ、ちょっとぉ席を外してくんねぇか?」「でもっ…!」「…たしぎ、行くわよ。」2人が病室から出ていく。「…クザン、お前何か知ってるな…?俺の家に来たことと何か関係あるんだろう?警察を辞めたお前がうちに来るなんざ、よっぽどのことだ。しかも、あんな時間に。」「寂しいねー、親友の顔見に来るのに理由がいんのかい?……ま、そうだ。お前に用があった。最近起きてる猟奇殺人事件についてお前が調べてると聞いてね。ある情報を掴んだから教えてやろうと思って行ったら血だらけのお前が倒れてたんでビックリしたよ。死んでるかと思った。」
「それについては、感謝している。で、その情報ってのはなんだ?」

「お前、SMILEっつー薬知ってるか?」

SMILE…確かあの時ローが薬を打たれ、そのような言葉を言っていたような気がする。あれを打たれた後、ローはドフラミンゴの命令通り
の行動を取った。猟奇殺人事件の被告に関してもこの薬を使用された可能性が高い。だがもちろん薬物検査は行った。結果は白。なので今まで薬の関与は疑っていなかった。

「そいつを打たれた姿を、目の前で見た…」

「へぇぇ~…、そうかい。」

「なんだ、驚かねぇな。」

「なげぇ人生だしなぁ、そういうこともあるかもなぁ。」

…ないだろ。相変わらずのだらけた考え方に呆れるが、詳細を聞かないのはこいつの優しさだろう。例えを聞かれたとしても、答えられなかった。長い付き合いと、こいつだからできることだ。

「で、そのSMILEだが服用、または投与された奴ぁ特定の人物の命令をきかなきゃいけなくなるみたいなんだが、…知ってそうだな?」

「あぁ…命令されている姿を目の当たりにしたからな。絶対に本人がやりたがらねぇことをやらされていた。」

「てこたぁ、今回の事件に絡んでるってことも予想がついてるはずだが、俺はそのSMILEの製造者を突き止めた。」

「本当か!?」

「あぁ、シーザー・クラウンというイカれた科学者だ。何のためにそんなものをと思ったが…どうやらとある国が戦争を起こすつもりらしい。その兵器だという話だ。それで俺は今回の事件はその公開実験だと踏んでいる。」

「戦争だと…!?確かにあの薬を使えば死を恐れない兵士が作れる…敵国の政府要人に飲ませれば白旗をあげさせることも、暗殺させることも可能だ…」

なんということだ…まだ連続猟奇殺人事件だけならば主犯を捕まえればよい話だと思っていたが、もはや国家レベルの話になっている。

「まだ実験の段階だとすればまだ間に合う。シーザーを捕まえて組織を壊滅させる必要がある。あとは、こいつのバイヤーだが、ドフラミンゴという男が全てを仕切っているそうだ。」

「…ドフラミンゴ…!!」

胸の傷がギリリと痛んだ。あいつがローにしたことを思うとどす黒い怒りの波が押し寄せる。

「なんだ、そうとう深いとこまで知ってんだなぁ、驚いたぜ。」

「それはこっちのセリフだ。クザン、お前こそどこでそんな情報を…!」

「なぁスモーカー、正義ってなんだと思う?…警察が正義、それが全てじゃないと、お前に言うのもなんだが…、俺は警察を辞めた後ある組織に入った。正義を掲げる姿勢は同じだが、その方法は非合法であることもある。警察の力には限界がある。俺の正義は、警察じゃあ果たせねぇ。」

ヴェルゴのことが頭をよぎる。先程の戦争の話、ヴェルゴも噛んでいるとしたら最悪の結果になる。なんとしてでも阻止しなければならない。

「なぁ、クザン。ヴェルゴが、ドフラミンゴの仲間だと言ったらどうする?」

「…知ってたよ。言ったところであの頃の自分には何もできなかったからな。お前たちには悪かったが、黙っていた。」

「やはりな。お前がサツを辞めたことと関係があるんじゃないかと思っていた。」

クザンは有能な刑事だった。勤務態度にはそこそこ問題があったが検挙率では群を抜いていた。そんな男がいきなり辞めると言い出したときには何かあると思ったが、ここにきてその理由がヴェルゴにあるとわかり、今までのうのうと仕事をしてきていたことに自分に嫌気がさす。

「俺は…助けなきゃならねぇ奴がいる。約束したんだ。必ず助けると。クザン、ドフラミンゴの居場所知ってんだろ。教えてくれねぇか?」

「おいおい、お前は動けるような状態じゃねぇんだぞ。俺に任せろ。」

「俺が、俺が行かなきゃ駄目なんだよ!!あいつはきっと…今頃絶望して泣いてやがる…あいつを笑顔にしてやりてぇんだ!!」

「へぇ、お前、そいつのこと好きなんだな。じゃあしょうがねぇなぁー。」

「!?い、いや、あいつは男だ。そういうのじゃねぇよ!!!それに、こんなところにいたらヴェルゴに消されちまう!」

クザンは紙に何かをメモしてこちらを見た。

「お前、フフッ…鏡見てから言えよ、真っ赤だぜ。あの白猟のスモーカーに赤面させるなんざ大した野郎だなハッハッハッ!!ほらよ、ドフラミンゴはここにいるはすだ。お前のその想い人が一緒にいるかは知らねぇがな。」

「恩に着る。」

「さてと、俺は仲間とシーザーを捕獲する。お前はお前で、まぁなんだ、死なねぇように頑張れ。」

「あぁ、おめぇもな。」

これでローの居場所はわかった。ローは無事だろうか…殺されてるってことはないと思うが…酷い目に遭わされていることは容易に想像がつく。それこそ死んだ方がましと思えるようなものかもしれない。
การแปล กรุณารอสักครู่..
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闇雲に歩き回るも果てはあるのかないのか、それすらわからなかった。

(俺は…死んだのか…?とするとここは…なんだ…てっきり天国に行けるもんと思っていたが…ところで…俺は何をしていたんだったか…)

じっとしていることもできずただひたすら歩き続ける。果てがあってもなくてもどうでも良かった。何故かはわからないが胸の奥が酷く痛んでいる、焼けるように、いやもしくは凍りついていて低温火傷をしているのかと思うほど熱く冷たく刺すような痛みだ。だが何故こんな痛みを患っているのかが思い出せない。
時間の感覚もないまま歩き続けて自分が進んでいるのか止まっているのかもわからなくなってきた頃、少し先に暗闇の中でボゥと浮かび上がった人影を見つける。

(誰かいる…男…?)

人影はうずくまっているようで表情はうかがい知れない。ボロボロのシャツを上だけ着ているようだがどうやら泣いているらしかった。押し殺したような嗚咽が聞こえてくる。

「おい、どうした?」

「……………。」

こちらを見向きもしない。

「おい、どうしたんだ?」

片に手をおいた瞬間バッと払い除けられ、一瞬こちらを向いた。目は腫れ、虚ろな目の先には光は宿っていなかった。

(この顔…どこかで…)

男はまたうつむき泣き続ける。どうしたことか、胸の痛みが先程から増しているまるで自分自信を責めているようだ。
よくよく見るとこの男、獣の耳と尻尾が生えている…手足も人間のそれと違っていた。

(思い出せ…!俺はこいつを知ってる…この、哀れな生き物を…)

「なぁ、泣いてたらわかんねぇだろ、なんか困ってんなら助けてや……」

(助ける…?俺はこいつを助けられるのか?いや、"助けられたのか"!?)

「………なぁ、なんで?」

「…?な、何がだ?」

男がゆらりと立ち上がる。まだうつむいているので表情がわからない。

「なんで…助けてくれなかったんだ?」

「!?いや、だから助けてやるっつって…」

「嘘つき…なぁ、なんで?なんで助けられもしないのに"助ける"なんて言った?」

男の声は責める言葉を使いつつも怒っているようではない、怒りではなく、絶望している悲しみの色が強かった。

「……っっ!?」

ふっと男の顔が正面を向いた。その目からは赤い涙が滴る。

「なぁ、…助けてくれるんだろ?… じゃあ、その銃で…俺を、殺して…?」

「???どこに銃があると…なっ!?」

気がつくと右手に拳銃を握っていた。右手は勝手に動き銃口を男に向ける。

「なにっ!?っ止まれっ止まれっっ!!クソっ!!」

ハンマーを引く音と次いで引き金に指をかける感覚。




「バイバイ、スモーカー…」






「ローォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」

「スモーカーくんっ!」
「スモーカーさんっ!!気がついたんですねっ!?良かった…!!」

(!?ここは…?白い部屋…俺は…)

「おぉー、気がついたか親友。」

「…クザン…?たしぎと、ヒナもか…」

ピ…ピ…と規則正しい電子音が聞こえる。スモーカーの横たわるベッドをたしぎ、ヒナ、クザンの3人が囲んでいた。

「おめぇ撃たれたんだよ。だがまぁよく生きてたなぁ。」

「ぐすっ…クザンさんが、自宅で倒れていたスモーカーさんを見つけて119番してくれたんです…あと少し発見が遅れてたら、死んでたって…もぅっ!!どれだけ心配したと思ってるんですか!!」

「そうだ…俺は…撃たれて…だが、何故助かった?俺はあの時死を覚悟した…」

「これだ。」

クザンはボロボロの十手を取りだしスモーカーに渡す。

「柄の部分が一部吹き飛んでるだろ?銃弾はこれに当たって威力を落とし、方向もずらした。銃弾は心臓から5cm離れた位置から摘出したよ。」

「だから一人で捜査なんて無謀だって言ったのよ!全く呆れるわ!!ヒナ激怒!」

(そういうことか…この十手が…。先祖に感謝しねぇとな。)

きっとローは俺を殺してしまったと思っているに違いない。夢の中の男が言った通りだ。助けると言っておきながらなんだこのザマは…!情けねぇ!!グッと体に力をいれると胸に激痛が走った。

「ぐぁっっ!!?!」

「おいおい、無理すんなよ、生きちゃいるが重症だ。とりあえず暫くはダラケてろ俺みたいに。」

「クザンさんはダラケすぎです…」

「こんな痛み…!あいつに比べたらなんてことねぇ…!!」

起き上がろうとするスモーカーをヒナが押さえつける。押さえ込まれて真上にヒナを見るが心なしか手が震えているのは気のせいか…?

「スモーカーくん!!あなた死にたいの!?私たちがどんな気持ちで目覚めないあなたを待っていたと思うのよっっ!!」

「離せヒナ!!俺は行かなきゃならねぇとこがあるんだよっっ!!」

「何処へだ?おめぇ、何処に行くつもりなんだ?……おめぇもわかんねぇんだろ?」

「………っっ!!」

クザンの言う通りだ、悔しいが…ローがどこに連れ去られたのか皆目検討もつかない。俺はローを何も知らない。あのドフラミンゴという男の事もだ。知っているのは一般人レベルの情報のみ。そんな情報でローの居場所を知ることは不可能だった。夢の中のローの言葉が胸に刺さる。"なんで助けられもしないのに助けるなんて言った?"全くその通りだ、俺は自分の正義の心ただそれだけでローを助けると言った。何の根拠もないのに。甘かったと言えばそれまでだが、己の無力さを痛感した。

「たしぎちゃん、ヒナ、ちょっとぉ席を外してくんねぇか?」

「でもっ…!」

「…たしぎ、行くわよ。」

2人が病室から出ていく。


「…クザン、お前何か知ってるな…?俺の家に来たことと何か関係あるんだろう?警察を辞めたお前がうちに来るなんざ、よっぽどのことだ。しかも、あんな時間に。」

「寂しいねー、親友の顔見に来るのに理由がいんのかい?……ま、そうだ。お前に用があった。最近起きてる猟奇殺人事件についてお前が調べてると聞いてね。ある情報を掴んだから教えてやろうと思って行ったら血だらけのお前が倒れてたんでビックリしたよ。死んでるかと思った。」

「それについては、感謝している。で、その情報ってのはなんだ?」

「お前、SMILEっつー薬知ってるか?」

SMILE…確かあの時ローが薬を打たれ、そのような言葉を言っていたような気がする。あれを打たれた後、ローはドフラミンゴの命令通り
の行動を取った。猟奇殺人事件の被告に関してもこの薬を使用された可能性が高い。だがもちろん薬物検査は行った。結果は白。なので今まで薬の関与は疑っていなかった。

「そいつを打たれた姿を、目の前で見た…」

「へぇぇ~…、そうかい。」

「なんだ、驚かねぇな。」

「なげぇ人生だしなぁ、そういうこともあるかもなぁ。」

…ないだろ。相変わらずのだらけた考え方に呆れるが、詳細を聞かないのはこいつの優しさだろう。例えを聞かれたとしても、答えられなかった。長い付き合いと、こいつだからできることだ。

「で、そのSMILEだが服用、または投与された奴ぁ特定の人物の命令をきかなきゃいけなくなるみたいなんだが、…知ってそうだな?」

「あぁ…命令されている姿を目の当たりにしたからな。絶対に本人がやりたがらねぇことをやらされていた。」

「てこたぁ、今回の事件に絡んでるってことも予想がついてるはずだが、俺はそのSMILEの製造者を突き止めた。」

「本当か!?」

「あぁ、シーザー・クラウンというイカれた科学者だ。何のためにそんなものをと思ったが…どうやらとある国が戦争を起こすつもりらしい。その兵器だという話だ。それで俺は今回の事件はその公開実験だと踏んでいる。」

「戦争だと…!?確かにあの薬を使えば死を恐れない兵士が作れる…敵国の政府要人に飲ませれば白旗をあげさせることも、暗殺させることも可能だ…」

なんということだ…まだ連続猟奇殺人事件だけならば主犯を捕まえればよい話だと思っていたが、もはや国家レベルの話になっている。

「まだ実験の段階だとすればまだ間に合う。シーザーを捕まえて組織を壊滅させる必要がある。あとは、こいつのバイヤーだが、ドフラミンゴという男が全てを仕切っているそうだ。」

「…ドフラミンゴ…!!」

胸の傷がギリリと痛んだ。あいつがローにしたことを思うとどす黒い怒りの波が押し寄せる。

「なんだ、そうとう深いとこまで知ってんだなぁ、驚いたぜ。」

「それはこっちのセリフだ。クザン、お前こそどこでそんな情報を…!」

「なぁスモーカー、正義ってなんだと思う?…警察が正義、それが全てじゃないと、お前に言うのもなんだが…、俺は警察を辞めた後ある組織に入った。正義を掲げる姿勢は同じだが、その方法は非合法であることもある。警察の力には限界がある。俺の正義は、警察じゃあ果たせねぇ。」

ヴェルゴのことが頭をよぎる。先程の戦争の話、ヴェルゴも噛んでいるとしたら最悪の結果になる。なんとしてでも阻止しなければならない。

「なぁ、クザン。ヴェルゴが、ドフラミンゴの仲間だと言ったらどうする?」

「…知ってたよ。言ったところであの頃の自分には何もできなかったからな。お前たちには悪かったが、黙っていた。」

「やはりな。お前がサツを辞めたことと関係があるんじゃないかと思っていた。」

クザンは有能な刑事だった。勤務態度にはそこそこ問題があったが検挙率では群を抜いていた。そんな男がいきなり辞めると言い出したときには何かあると思ったが、ここにきてその理由がヴェルゴにあるとわかり、今までのうのうと仕事をしてきていたことに自分に嫌気がさす。

「俺は…助けなきゃならねぇ奴がいる。約束したんだ。必ず助けると。クザン、ドフラミンゴの居場所知ってんだろ。教えてくれねぇか?」

「おいおい、お前は動けるような状態じゃねぇんだぞ。俺に任せろ。」

「俺が、俺が行かなきゃ駄目なんだよ!!あいつはきっと…今頃絶望して泣いてやがる…あいつを笑顔にしてやりてぇんだ!!」

「へぇ、お前、そいつのこと好きなんだな。じゃあしょうがねぇなぁー。」

「!?い、いや、あいつは男だ。そういうのじゃねぇよ!!!それに、こんなところにいたらヴェルゴに消されちまう!」

クザンは紙に何かをメモしてこちらを見た。

「お前、フフッ…鏡見てから言えよ、真っ赤だぜ。あの白猟のスモーカーに赤面させるなんざ大した野郎だなハッハッハッ!!ほらよ、ドフラミンゴはここにいるはすだ。お前のその想い人が一緒にいるかは知らねぇがな。」

「恩に着る。」

「さてと、俺は仲間とシーザーを捕獲する。お前はお前で、まぁなんだ、死なねぇように頑張れ。」

「あぁ、おめぇもな。」

これでローの居場所はわかった。ローは無事だろうか…殺されてるってことはないと思うが…酷い目に遭わされていることは容易に想像がつく。それこそ死んだ方がましと思えるようなものかもしれない。
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闇雲に歩き回るも果てはあるのかないのか、それすらわからなかった。

(俺は…死んだのか…?とするとここは…なんだ…てっきり天国に行けるもんと思っていたが…ところで…俺は何をしていたんだったか…)

じっとしていることもできずただひたすら歩き続ける。果てがあってもなくてもどうでも良かった。何故かはわからないが胸の奥が酷く痛んでいる、焼けるように、いやもしくは凍りついていて低温火傷をしているのかと思うほど熱く冷たく刺すような痛みだ . だが何故こんな痛みを患っているのかが思い出せない .
時間の感覚もないまま歩き続けて自分が進んでいるのか止まっているのかもわからなくなってきた頃、少し先に暗闇の中でボゥと浮かび上がった人影を見つける

( 男誰かいる . . . . . . . . . . . . . . ? )

人影はうずくまっているようで表情はうかがい知れない .ボロボロのシャツを上だけ着ているようだがどうやら泣いているらしかった . 押し殺したような嗚咽が聞こえてくる

「おい、どうした ? 」

「 ................ 」

こちらを見向きもしない

「おい、どうしたんだ ? 」

片に手をおいた瞬間バッと払い除けられ、一瞬こちらを向いた . 目は腫れ、虚ろな目の先には光は宿っていなかった

( どこかでこの顔 . . . . . . . . . . . . . . )

どうしたことか、男はまたうつむき泣き続ける .胸の痛みが先程から増しているまるで自分自信を責めているようだよくよく見るとこの男、獣の耳と尻尾が生えている手足も人間のそれと違っていた .
. . . . . . . .

( 思い出せ俺はこいつを知ってるこの、哀れな生き物を . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . )

「なぁ、泣いてたらわかんねぇだろ、なんか困ってんなら助けてや」

( 助けるเหรอ . . . . . . 俺はこいつを助けられるのか ? いや、 " 助けられたのか " ! ? )

. . . 「なぁ、なんで ? 」

「な、何がだ」

. . . . . . . ? ?男がゆらりと立ち上がるまだうつむいているので表情がわからない「なんで . .

. . . . . . . 助けてくれなかったんだ ? 」

「 ! ? いや、だから助けてやるっつって「嘘つき」

. . . . . . . . . . . . . . なぁ、なんで ? なんで助けられもしないのに " 助ける " なんて言った ? 」

男の声は責める言葉を使いつつも怒っているようではない、怒りではなく、絶望している悲しみの色が強かった .

. . . . . . 「っっ ! ? 」ふっと男の顔が正面を向いたその目からは赤い涙が滴る


. .
「なぁ、…助けてくれるんだろ?… じゃあ、その銃で…俺を、殺して…?」

「???どこに銃があると…なっ!?」

気がつくと右手に拳銃を握っていた。右手は勝手に動き銃口を男に向ける。

「なにっ!?っ止まれっ止まれっっ!!クソっ!!」

ハンマーを引く音と次いで引き金に指をかける感覚。




「バイバイ、スモーカー…」






「ローォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」

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