モモ。 迎えが遅くなったお詫びに、仇を討つよ」 俺は大賢者様モモに言った。「えっ?」 モモが小さく声を上げ、その頬がピンクに染まっている。 ちょっと、カッコつけすぎただろうか?「...... 聞き違いか。 愚かな家畜の戯言が聞こえた気がしたが」 魔王の腹心バラムが不愉快そうに眉を潜めた。 俺の声が聞こえていたらしい。「アベルさん、モモをお願いできますか?」 俺はモモを勇者アベルに任せた。「待ってください、マコトさん!」「マコト様!」 二人はまだ慌てているが、俺は豪魔バラムに向き直った。「勇者以外は殺せ」 魔王の腹心バラムが、端的に命令を下した。「「「「はっ!」」」」「「「「グオオオオオ!!!!」」」」 魔族の軍団と、魔物たちが一斉に俺たちに飛びかかってきた。「くっ!」「ひぃっ!!」 勇者アベルが悲鳴を上げるモモを護っている。 俺は周りに呼びかけた。「XXXXXXXXXX(精霊さん、よろしく)」(((((((はーい!))))))) 精霊語で、水の精霊にお願いをする。 魔物の群れが俺たちを押し潰す寸前 ――水魔法・氷の世界 近くの魔物たちが氷漬けになった。 が、敵の数はまだまだ多い。「ほう......」という魔王の腹心バラムの感心するような声が聞こえた。「死ねぇ!!」 真っ黒な巨大な鎌を持った魔族が、飛びかかってきた。「あれは!? 」「九血鬼将!」 モモと勇者アベルの声が聞こえた。 有名な魔族なのだろうか?「XXXXXXXXXX(水の大精霊ウンディーネ、お願い)」(はい、我が王の頼みとあらば) 強そうな敵なので精霊語で、水の大精霊ウンディーネにお願いをした。 ...... 我が王って何だ? あとで、確認しよう。 ――水魔法・聖氷結界 水の大精霊ウンディーネの魔力マナを使って聖級水魔法を放つ。「ぐわああああああっ!」 九血鬼将の人は、結界ごと氷漬けになった。 なんか、さっきからワンパターンだな......。 ま、いっか。 氷漬けこれが一番効率がいいんだよなぁ。「一斉にかかれ」 少しイライラとした口調となった魔王の腹心バラムが配下に命じた。 津波のように襲いかかって来る魔族と魔物。 俺はそれを水の精霊と水の大精霊ウンディーネの魔力マナを借りて撃退した。 精霊の魔力は、無尽蔵だ。 ただし、以前なら調子に乗って使い過ぎて暴走して、大賢者様に怒られたんだけど......。 水魔法の熟練度『999』のおかげだろうか? どんな魔法でも、容易く扱える。 ちらっと、勇者アベルとモモのほうを振り返った。 二人そろって、大口を空けてポカンとしている。 モモは、俺と目が合うと「凄いです! マコト様!」と瞳を輝かせている。 見た目は大賢者様だから、調子が狂うなぁ......。「貴様! どこを見ている!」「水魔法・氷の世界」 激昂した魔族が飛びかかってきたので、氷漬けにしておいた。 まだまだ、敵の数は多い。 油断なくいこう。 ◇とある魔王の腹心の視点◇
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