「キスしてくださいですのっ! 」
「は... ? 」
いきなり言われた言葉に思わず面食らってしまう.
今思えば,最初から様子がおかしかった.
学校の入口で待ち合わせていた黒子を見つけて話しかけた時も,そっけない返事が返ってきただけだったし.
帰りの道でも,いつも話し掛けなくても向こうから勝手に話題を振ってくるのになぜか今日は無言で.
それでも沈黙が辛いと感じるような間柄ではないから特に気にしていなかったけれど.
そして通学路であるいつもの公園を歩いているときに急に立ち止まったかと思うと,この言葉だ.
唐突すぎて何を言われたのかわからなかったけれど,少しして言葉の意味を理解する.
「なっ... ! 」
何言ってんのよあんた,バカじゃないの!
そういつものように言おうとした口は,黒子の姿を見た途端に動かなくなってしまう.
こっちを向いて精一杯背伸びして.鞄を持つ手はいかにも力が入っているといった様子で固く握られていて.
顔を朱に染めながら,目をぎゅっとつむってキスを待つ.
そんな黒子の姿にだんだんと冷静さを取り戻していく.
普段はあんなに変態行動を繰り返しているくせに.
自分から言い出しておいてこんなに赤くなるなんて,
可愛い.
「ばーか」
そう思う自分の心とは裏腹に,呆れたように突いて出る言葉.
だけどこぼれる笑みは抑えられない
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