コクハク』
煽り
「突としてエンカウント
楽
「小野寺…!
良かった無事だったんだな…!」
小野寺
「一条君こそ…!
凄い音がしてたから心配してたんだよ!?」
楽
「あの後つぐみが助けに来てくれてな
なんとか無事だよ
悪かったな一人にしちまって」
小野寺
「そんな私は全然…」
楽
「とにかく合流出来て良かった
千棘はこの先の山の頂上に来ているらしい
さっき橘に会って教えて貰った」
小野寺
「え!?万里花ちゃん来てるの!?」
楽
「まぁ色々あってな」
楽
「さ、急いで行こうぜ
あいつまだ同じ所にいてくれりゃいいけど…」
寂しそうな表情の小野寺
小野寺
(…一条君はここに来て
何かを思い出したりしたのかな…
一条君は私の初コイの男の子で
私は一条君の約束の女の子…
…あ~も~今はそんなこと
考えてる場合じゃないでしょ!?
今は千棘ちゃんと会って
話す事を考えないと…
…でもどうしたらいいんんだろう?
私は千棘ちゃんがいなくなった理由を知ってる
一条君は知らない
千棘ちゃんは一条君が居たら
きっと話し辛くなっちゃうよね
だったら先に私と二人だけで少し話した方が…? …それにやっぱり少し気になるのが…)
楽をチラ見する小野寺
小野寺
(今日の一条君 やっぱりどこか違う気がする
【どこが】かは分からないけれど
もしかして一条君も気づいてるのかな
千棘ちゃんの気持ちに…
小野寺
「…ねぇ一条君…」
楽
「ん?」
小野寺
「一条君は千棘ちゃんはどうして
居なくなったんだと思う?」
楽
「…そうだなぁ
オレも色々考えてはみたけど…
でも…やっぱりよく分かんねぇよ
突然だったし、
あいつ何にも言わねーからな
…ただアメリカであいつに会って
原因はオレにあるのかもって思った」
小野寺
「!」
楽
「あいつオレと目が合った瞬間
なんとも言えねー顔してやがった
だから…オレが何かしちまったのかなって
オレが気づいてないだけで…何かヒデー事…」
小野寺
「!!そんなこと…!
そんなことないよ…!きっと…!
一条君がそんなヒドイ事なんて…!」
楽
「ハハ…ありがとな、だと良いんだけど
…ただなんか悩んでんだろーなって
ことは分かった
あいつってさどーでいい事にゃ
すぐ文句言うクセに
大事な事は全部自分の中に
仕舞っちまう癖があるだろ?
だからいつもこっちから聞きに
言ってやんなきゃいけねぇ
ホントはあいつが何を抱えてたっていいんだ
オレはただ…
そうやってあのバカが一人で悩んでんの
が放っとけねーんだよ」
何かに気付いた表情で
まっすぐ楽を見つめる小野寺
小野寺
「…一条君は千棘ちゃんの事がすごく
大切なんだね」
楽
「いや別にそこまですごくって
わけでもねーけど…
まぁ、でも確かにあいつが居た方が
退屈はしねーなって思うよ」
小野寺
(ああ…そうなんだ
気付いてしまった、私…
どうしようもなく
伝わってしまった
根拠なんて無い
ただ確信だけがある
一条君は…
…だってわかるよ…
ずっと見て来たんだもん ………………………
なら【きっとここが最後】
【最後の…】)
楽
「…?小野寺…?」
小野寺
「…ごめん一条君、
ちょっとだけ聞いて欲しい事がある
千棘ちゃんに会う前に今ここで…」
楽
「…?」
顔をうつむかせたまま話し出す小野寺
小野寺
「私…ずっとずっと一条君に
言えなかった事がある
何度も何度も言おうとして
その度に上手く言えなくて…
ソレに初めて気付いたのは
中学生の頃だった
私にとっては2度目の
【でも本当は初めての…】
私が好きになった人…」
目を見開く楽
優しく微笑み楽をまっすぐ見つめる小野寺
小野寺
「一条君、私一条君が好きです
ずっとずっと好きでした
こんな時にゴメンね…」
驚き固まる楽
楽
(今、何て言った?
聞き違いじゃなくて?
小野寺がオレの事を好き?
そう言ったのか?
中学の頃からオレと同じようにずっと…?
それって…)
小野寺と楽の回想シーン(2ページ弱)
楽が中学から今までの
小野寺と人の出来事を思い出す
楽
(ずっとずっと…
オレの事好きでいてくれたのか
オレがずっと小野寺を好きだったように
小野寺も…オレの事をずっと…?
ずっと…ずっと…ずっと…)
ポロポロと涙をこぼす楽
楽
「う……ッ くっ……」
つられて小野寺も泣き出す
小野寺
「…絶対泣かないつもりだったのに…
どうして一条君が泣くの?」
楽
「…分かんねぇ、でもオレ…」
向かい合い涙を流す二人
【続き、画像&文字追加更新】
煽り
「溢れ出す感情、涙は止まらない」